歯科対談

竹尾院長とスタッフが、歯科医療について本音で対談

宮崎県延岡市の歯科医院、竹尾歯科のドクターやスタッフが日々どのようなことを考え、患者様に接し、歯科医療を提供しているのか?
普段はなかなか知ることができない歯科医療の現場の声を、ぜひお聞きください。

院長×スタッフ 対談

インタビュアー

理事長

事務長

  

まず、歯医者さんの選び方や、歯医者さんに大切なものとして患者様に伝えたい内容をお話して頂ければと思います。

院長×スタッフ 対談

私はすべての初めての患者さんに、30分くらい講演をします。私は歯医者になって40年、開業して34年になります。そこでわかったことは、患者さん自身が受診するときに自分のことを全く知らないということです。もともと自分の歯が何本あるのか。まず、私は患者さんに自分の歯のことを知ってもらいます。それは、仕事をしている人にもこのような言い方をします。例えば、自分の家のお風呂や炊事場をリフォームする、冷蔵庫を買い替えるとき、スペースを測りますよね。冷蔵庫も種類がいっぱいあるわけですから、そこで、いくら欲しいと思ってもスペースに入らなかったり、リフォームだったら、広さがどのくらいだったらこのユニットバスが入るのかとか、その料金がいくらなのか、とかそういう情報を全部集めてその中からセレクトして、初めて業者さんと契約をして、リフォームや買い替えをするのが普通の社会常識じゃないですか。こと、歯科に関しては、患者さんがもともと自分の歯が何本あるかも知らない、抜けた歯の相談の方などは、何本残っているのか何本抜かれたのか、そういうこともご存じなくて来られます。わたしは、患者さんにまずそういうことから話し始めて、じゃあ、なぜ抜けたのか、それを知ってもらいます。目的は何かというと、今残っている歯をいかにして残していくか。それを一番重要なポイントとして考えます。

「抜けた原因が分かっていないとまた同じことを繰り返してしまうんですよ」ということですね。

そうなんです。

来るタイミングもいっぱいありますよね。

痛くなったから来ちゃう。抜けたから来ちゃう。
銀歯が取れたから、とか差し歯が取れたから、とか。逆に言えばなんで銀歯になったの、差し歯になったの、今後どうすればいいの?と。中には話を聞いてくれない人もいます。
とりあえずこの取れたものを入れてくれ、それでいいから、とね。つべこべ言うな、と。それはもう、うちの患者さんじゃない、と私は割り切っています。

先ほど森川さんがおっしゃったように、一般的には歯が痛いとか、不具合を感じたから歯医者に行かなきゃいけない、という方がまだ今たくさんいらっしゃると思うんですけれども。そうならないための歯医者なのですよ、ということを訴えていかなきゃいけないということがあると思うんですね。その辺り、日ごろから歯の健康や予防に関して患者様が大事に考えなきゃいけない部分はありますか?

まず、口の2大疾患、むし歯と歯周病というのはみんな知っているわけです。だけど、なぜなるのかというのをみなさん知らない。最近の方は「むし歯菌」という言葉は知っている。みんな普通に歯磨きのことは、学校からは「歯磨き指導お願いします」と言って来たり、むし歯になったとき「むし歯になってしまって、歯磨きが足りなかったのでしょうか」とか子どもを連れてきたお母さんが「私が歯磨きを子どもにちゃんとしてあげなかったから」と。では、考え方を変えて「動物は歯磨きしますか」。熊とかは人間と同じ雑食でしょう?ほぼ人間と同じものを食べるでしょう。熊とか豚とか、なぜむし歯とか歯周病がないのでしょう。
歯の構造はみんな一緒ですよね。なぜでしょう。
だから、私はいろんなことの見方を変えて、むし歯や歯周病の原因は何なのか、そういうところから自分なりの考え方を変えていったのです。そこで最近すごく大事だなと思っているのが、「唾液」なんです。
例えば、犬などもそうですが、餌を見ていたら唾液が出るでしょう。動物との一番の違いは唾液の量なんです。動物は唾液の量がすごく多いから、むし歯になりにくいのです。

なるものもいますよね。

ドックフードやキャットフードなどのような、あまり噛まなくてもいい物を食べる動物は今、歯周病とかむし歯がすごく多いんです

ではどんなものを食べたらよいのでしょうか?

それは無いんですね。副院長の宮崎先生が栄養をすごく勉強していて。なぜかというと、自分がアトピーやアレルギーだったのを食で全部改善したから。もう一人、私の友達の沖縄のミヤギ先生という方も自分が喘息だった、死ぬほどつらかったと。それを全部食事とかほかの考え方によって自分で治したのです。薬ではないんですよ。私は歯科の治療にしても、いろいろな考え方があって「薬ではない」と思っています。緊急を要するもの、化膿したとか、それはしょうがない。でも、今日本のお医者さん医科も歯科もほとんどが西洋医学で、切って直すとか薬で治すとかが主流です。私はそういうのは治らないと思うんです。やはり原因から考えます。だからむし歯の治療もむし歯の治療をするのが大事ではないのです。なぜそうなったのかということを一緒に考えて、その歯は治療しなければならないかもしれない。その上で、他の歯もそうならないようにするというのが大事です。それが予防なのです。

むし歯が進まなければいい、ということですね。

院長×スタッフ 対談

それも一つ。もうひとつ、さしつかえなければむし歯が進まないにようにする方法を今考えているわけです。今の歯科医療は、むし歯になったらそこを全部取ってしまう。がんは、日本では先進国の中で手術率がすべてのがんにおいて3倍なんです。しかも、がんが増えている。アメリカなんかはあれだけ肥満が多いと言っているのに、がんは減っているのです。なぜかというところを今考えています。
私の体の中では毎日がん細胞はできていると思っています。でもそれが広がるか、ほとんどが死滅してしまう。そのがんもすごく早く進むかどうか。小児がんなどは、進行がすごく早いです。スキルス性の胃がんなども見つかったときには大体もう3ヶ月…。一方80歳のおじいちゃんの前立腺がんといえば、ほとんど進みません。そのことはみなさんもわかってらっしゃる。しかし、日本はすぐに手術をするというパターンになっています。そこに原因を考えるという人がいないのです。だから、私は自分ががんになったときは絶対に手術はしません。原因を考えて、間に合うなら手術してもよいと思います。むし歯も同じだと思います。進まなければよい、さしつかえなかったらよいという考え方です。様子を見ていきます。

私自身もこういうお仕事をさせていただく上で、このようなお話を伺うと、一般人としては、歯が痛くなったら歯医者さんに行くというのが常識でしたが、そもそも痛くならないように、そもそも悪くならないようにという根源の徹底ということを学ばせていただきます。今後歯科医師というものはどういう立場に立っていかなければならないと思われますか?もちろん、それが浸透される前に、歯が痛くなって治療に来られる方を救っていかれるというのはあると思うのですが。

そこは、保険診療がネックになっていると思っています。健康保険による診療というのは、確かに普段病気になったときに安く医療を受けられるというのが基本的な考え方ですね。それはいいと思いますが、予防的なことは基本無いのです。やったらいくら、というのが健康保険。病気保険です。病気じゃないと保険がきかない。だから健康診断や定期健診というのはすべて保険がきかないですね。私はそこが一番の問題だと思います。
健康保険を続けましょうと言っていても、破たんしかかっています。なぜなら、そこに医療機関が何らかの形でお金をとろうとしているからです。患者さんも1円でも安ければいい、と。でも、私はそこが一番問題だと考えています。車で言ったら「動けばいいのですか」と。延岡から福岡まで行ければいいのですか、こんな暑いのにエアコンなしでも行ければよいのですか、というのが健康保険診療です。

下手な医者でも一緒の内容、と。

料金は一緒です。

でもこんなに差がある、と。

たとえば森川さんの中で、院長先生のいらっしゃる竹尾歯科というものがこういう歯科医院ですよ、というのを患者さんにどう伝えたいですか?先生も含めたこの歯科医院としての宣伝として。

院長×スタッフ 対談

一番は患者さんを第一に考えてくれるところですね。
患者さんの経済事情もありますし、そこもすべて話してその上で選択肢を与えてくれる、そこが素晴らしいと思っています。
他のところのように嘘を伝えず、そこを説明して、患者さんが納得したうえで治療を進めていく、そういうところが素晴らしいなと思っています。

車に例えると一番分かりやすいですね。どうしても車が必要なら、ローンを組んだり、中古車でも最低ラインで選んでいく。こと、歯に関してそういう選択肢がないのです。
だからみなさんに置き換えて考えてもらう。定期健診もそう。一番分かりやすく言えば、美容院や床屋さんに何カ月くらいの間隔で行きますか。数年ぶりに来た方が、「ここだけ綺麗にしてほしい」と。そんなとき「あなた久しぶりに来て髪の状態がすごく悪くなっています。美容院にどのくらい行ってますか?」「いや、毎月行ってますよ」と、自信もって言うからね。

歯の中って見えないじゃないですか。だから痛くなくても進行している場合は、気づかないですものね?

じゃあなた汚い下着でいいと思いますか、なんて嫌味を言ったり。

ぼくは、昔すごく痛かった思い出があるので今は、ちゃんと来て検査をしています。そうすれば痛い思いをしなくて済みます。

ちょうど今そのお話がでた延長の話になりますが、コンセプトの部分で今の形で患者様に発信していきたい部分としては、歯の健康に日頃から気を付けて頂きたい、ということですね。その理念をまだわかっていらっしゃらない方々が、治療に来られたときの患者様に対するヒアリングは患者様目線で、とのこと。具体的にこのようなオペ室とか滅菌とか、患者様に気を遣われているところというのはありますか。

インプラント患者が多いので、常識的に滅菌システムが必要です。延岡市でいったら今オペ室があるのはうちだけです。他で「インプラント」と看板出しているところも数軒ありますが、オペ室があるのはうちだけです。普段歯を削ったりしていて埃だらけです。そんなところでオペをする、カウンセリングもせずその場でインプラントをする。そういったところの患者さんがみんな私のところに相談に来るのです。それも困っています。
予防の話で言ったら、私が何冊か本を出しています。それは、他人の誹謗中傷ではないです。今の歯科医療の過去の常識、むし歯は治療しなければいけない、と一般の人も歯科医もそう頭に染みついているから、それに対して私がそうではない、といった時に先生方は「おかしいんじゃないか」と絶対に否定します。それが私の一番やりにくいところです。
しかし、改革をしなければならないのです。

僕は一般の患者の立場から考えて、先生が難しいことを話されるな、一般的なところより上のことをお話しされているなと、いう感覚はないのです。考え方を変えてもらえるようなお話だと思います。確かに、と思うんです。それを患者様にも分かりやすくお伝えするのが、今回ホームページを作る大きな目的だと思います。最後に患者様に向けて、ちょっと今までの常識を捨ててこういうふうに考えてみてはどうですか、というところを…。

院長×スタッフ 対談

患者さんによく言うのが、自分の指の数などは知っていると思いますが、どの指が一番大事ですか、と尋ねます。指が何本という数は知っていても、どの指が大事ということは考えていないのです。歯も同じです。どの歯が一番大事かという意識はしたことがないのです。一番大事なのは奥歯なのです。指でいったら親指なのです。
不幸にして小指、薬指、中指が無くなったとします。人差し指と親指が残ったとします。ハンドルや包丁は握れるでしょう。小指を失っても握力はちょっと落ちるかもしれないけれど、普通の作業はできると思います。ところが親指を失ったらどうなるか。手のひらを握ることが全くできません。それをみなさんわかっていない。親指というのが第一大臼歯だと思っています。最初に生える歯ですが、最初に失う歯であることが多いのです。早く出てきて早く治療されるからです。その後に生える第二大臼歯が人差し指だと思います。この2本が無くなったらどうなるか。もう手として機能しない。それをみなさんわかってない。
そういうことからも、私はほかのことに例えてすべて話していきます。お金の話もそうです。
「歯科医療は高い」と皆さんの頭の中に刷り込まれているんですよ。決して高くないのです。インプラントにしてもそうです。今までは医者さんに普通にかかっていた人が、窓口で払うのは健康保険で1割2割3割だからせいぜい1万円止まりです。それがいきなり30万、40万、50万、100万となったら、みなさん「ええっ」とおっしゃいます。でも、かつらとか、義手義足、みんな100万単位です。それら自体は機能しません。かつらは飛んだり落ちたりします。義手義足は見た目はほとんど分からなくなってなんとか動きますが、それ自体は機能しません。
インプラントに関しては、確実に噛めます。数年経ったら自分でインプラント入れているのを忘れていたという方もいます。例えば100万かけても20年以上のインプラントもたくさんあります。日割りにしたら、何円、何十円という金額です。
私は昔はタバコを吸っていましたが、ひと月にいくら使っていたか考えてみて下さい。
美容室もそうです。染めてカットして1万~1万5千円かかりますが、数カ月おきに普通にみなさん出しています。それ以外に化粧品もそうです。

自分も同じようなエピソードがありました。洗濯して、コインランドリーでの乾燥を続けたことによって、結果的にはドラム式の良い洗濯機が購入できるほどの金額になってしまったんです。手間ひまやお金を渋ることで、プラスの投資に対して卑屈になっちゃったという経験があります。

お金の問題は、置き換えて考えたらいろいろな考え方があるのです。

それによって毎日健康な食事ができ、20年後の健康状態が全く違うというわけですね。それでも「とりあえず今は、不具合のある歯だけ何とかしたい」としか考えていないから伝わらないと思うのです。

最後に知ってもらいたいことは、歯が無くなったらどうなるかというのをみなさん知らないということです。患者本人だけでなく、医者も介護士も知らない、そこまで私は話をします。なんで寝たきりになるのですか、なぜ歩けなくなるのですか、と聞きます。みなさんわからないのです。うちも訪問診療をしていました。老人ホームと契約して。気づいたことは、老人ホームの入居者の皆さんはほぼ全員入れ歯なのです。歯が全部残っていて要介護になっている人を見たことがありません。100%とは言いませんが。70代、80代になって筋力が絶対落ちてきます。筋力が落ちてきたときに歯が無かったら体のバランスが取れません。わたしはほぼそれが原因だと思っています。
だから、患者さんに「歯がなくなったら、足に来ますよ」と言っています。実際、訪問診療で歩けなかった人が、ちゃんと噛める入れ歯に入れ替えたところ、歩けるようになったのです。これはNHKでも取り上げられました。噛み合わせを調整して噛んで飲みこんで、血流やリンパの流れが正常になった時には、歩けるようになるのです。そのような経験もしていますし、テレビでも取り上げられました。

逆に歯を失わないためにはこうしたほうがいいですよ、というような言い方でしょうか。

健診というのはおおざっぱでした。昔の健診では、C1、C2,…というふうに診断をつけていましたが、今は、あるかないかなんです。でも今はその判断をできる医者が非常に少ない。
むし歯も二種類あると思ってください、がんと同じで進むむし歯と進まないむし歯。全部一緒になって、むし歯は治療しないといけない、ということではない。

場所によるのでしょうか。

院長×スタッフ 対談

年齢と生えた時期です。だからうちは1カ月ごとに健診します。大事な時期は毎月毎月。うちは基本的に、歯が悪くなってから来るところではないのです。
初めて来る患者さんのほとんどが、「もっと早く来ればよかった」とおっしゃいます。歯を失ってから、たくさん歯を削られてしまってからくるところではないのです。痛くなってから来るのではないのです。
うちの子どもが3歳なんですけど、3歳まではよだれが出るので唾液がたくさんあります。むし歯になりにくいのです。むし歯になるのは寝るとき。母乳を与えながら寝るとむし歯になりますが、それも知らない人がほとんどです。寝かせるために母乳を飲ませるのは、親の都合です。子どもは安心して寝るのです。それをやると全部むし歯になります。
うちは、お子さんからはお金はいただきません。小さいお子さんは、まずお母さんがメンテナンスをする時に連れてくるように伝えます。何も怖くないんだ、と慣らしてからお母さんと一緒に見せてもらいます。そこで初めてカルテをつくります。そういった形で、歯医者というのは怖くないという印象を持ってもらいます。
みなさん悪くなってから来るから、歯医者は痛い、怖いところだという印象を持ってしまうのです。もし、むし歯があっても無理やり治療するのではなく様子を見ていく。進行しなければいいのです。
なったところはしょうがないので、なぜなったのかを一緒に考え、家庭生活の中で改善してもらい、他の健康な歯をむし歯にしないようにする、というのが今のうちのやり方です。かたちは見えないかもしれませんが、無料奉仕のようなのもいっぱいあります。

お口と身体の関係について

当院では食育と噛み合わせによる健康状態の維持・改善もサポートしています。
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